
高槻の町家
種別/新築
所在地/大阪府高槻市
構造/木造2建建+LOFT
延床面積/113.16㎡
竣工年/2016年
共同設計/とのま一級建築士事務所
Photo/Tsuyoshi Kawata
新しいけど何処となく懐かしい“現代の町家”
クライアントは築30年の中古住宅を10年前に購入、10年暮らした中で気づいた不便を丁寧に検証した上で、同じ場所で建替えを選択。敷地の特徴として、建物の北側には街区を横切るように高圧電線が通るため、直下にあたる敷地の約半分が必然的に建築不可能な場所となっていました。しかしそこは、近隣の方々も含めて庭や家庭菜園など各々が楽しむスペースとして、前面道路からは伺い知れない豊かな風景を生み出していた。
プランは庭に面するLDKを中心に段差で空間を間仕切る一室空間とし、各々の空間はコンパクトながら立体的な広がりを有します。そのため、どこにいても家族の気配を感じる事ができ、子供たちは庭と連続するかのように室内を元気に走り回る。
又、LDKではキッチンは天井を低く、ダイニングは天井を高くし、夫婦の背の高さを空間構成に反映。そこに、玄関から続く通り土間が庭の豊かな外部環境を室内へ取り込みます。
書道教室を兼ねた住まいには、週末には近隣の子供たちが賑やかに集う。庭や地域との関わりを大切にしてきた建主の想いと共に、地域の将来を担う子供たちの成長が楽しみだ。

玄関から続く鉄平石貼りの通り庭がリビング、そして庭へと続く。通り庭はリビングとともに床暖房を組み込んでいます。鉄平石は夏は涼しく、冬は床暖房を蓄熱しほんのりと温かい。

通り庭には奥様の趣味のサーフボードも。

住まい全体は、段差を活かした一室空間。週末には書道教室の舞台となります。

大きな3枚建具を開けると、リビングと庭が一体的に繫がる。

通り庭の壁には書道家である施主のコレクションが並ぶ。

階段を上がった先には水回りスペース。
